2020年7月8日水曜日

コロナと不動産売買の行方 (2020年7月初旬時点)

フランスは3月中旬から約2ヶ月半に及ぶ外出禁止令が行われていました。

もちろんその期間中は生活必需品を扱うお店や施設以外は全てお店を閉めなければいけない状況でした。
不動産会社もその例にもれず、全ての取引、直前までに行われていた取引に関する進展もストップしたままの状態で、2020年4月の不動産取引件数は普段の平均取引に比べてマイナス65%まで達していました。

4月はフランスでコロナによる死者数がピークを迎えていたということもあり、フランス人ですら必要以外に外出しようという雰囲気ではありませんでした。

このまま、不動産売買の件数も減り、リーマンショックのような状況に再びなるのかと思われていましたが、6月からの不動産売買取引件数はV字回復している模様です。


外出禁止令解除後の最初の数週間で見られた驚くほどの取引量の増加は、6月に入っても続いています。すでに販売量の面では過去に例がないほどの取引が発生した昨年の同時期と比較して35%アップしている状況です。

不動産価格もコロナによる死者数が多かった4〜5月の期間はマイナス10〜15%になるだろうと予想されていましたが、全くというかむしろ不動産価格は大都市では上昇しているみたいです。


ただ、この取引販売数の増加が本当に続くのかは個人的には疑問を持っています。
それはフランス政府による大規模な支援が5月末まであったため、ほとんどの人は収入の問題はなかったと思われますが、6月に入り、政府も流石にお金がないので、段階的に支援する金額を減らすと発表して、実際に減り続けているみたいです。


テレワークを強く推奨していましたが、フランス国鉄(SNCF)やパリ交通公共団 (RATP)の大きな赤字(テレワーク推奨のせいで、通勤者が激減)が続き、テレワークをやめて仕事場に行くようにという政策変更も出てきています。


そして、エアバス、エールフランス、サフランなど、フランスを代表する大企業がここ最近大きなリストラを発表しています。その数は全社員数の10%以上の企業もあります。

これらを踏まえると、単純に経済はコロナ前に戻ったとは言い難く、本当の経済危機はこの秋くらいから影響が出始めるのではと危惧しています。