2016年3月12日土曜日

またこの季節がやってきました

先日に天気が回復して、久しぶりの晴天が訪れました。

フランス、特にパリは冬の間は太陽があまりなく、どんよりした灰色の空に数ヶ月間閉ざされます。

やっと長い閉塞感から解放されるときでもある3月なのですが、ここには『罠』がまっています。

気温も少し上がり、日照時間も少しずつ長くなり、朝と夜がやっと明るさに包み始めるとパリジャン/パリジェンヌはここぞとばかりに外にではじめます。

太陽が冬でもサンサンと輝く時間の多い日本の生活だと分かりにくいのですが、この『やっと春がくる』というフランスでの気持ちは特別なものだと私は感じます。

実は『罠』というのは『大気汚染』のことです。(ちなみに去年の記事


久しぶりに晴天になり、私も外を歩いていると白いもやがかかっていることに気がつきます。
この『もや』が近年パリに深刻な被害を与えている正体『Paticulier Fine』通称PM10。

日本も中国からのPM2.5で深刻な健康被害を受けていますが、フランスも相当に酷い状況です。


近年は毎年この時期(3月中旬〜4月上旬)が特に酷く、この時期に外出すると、4月の中旬〜後半あたりから喉の痛みと咳が出始めます。

一度、症状がでると夏前くらいまで続く可能性もあるので、気をつけなければいけません。


もし、この時期に喉の痛みや咳の症状が見られた場合はこの『大気汚染』を疑ってみてください。

さらに、この時期は花粉症の時期も重なるので、花粉症の人はそのことも頭にいれておかなければいけません。



近く、公共交通機関やベリブ、オートリブなどが、大気汚染が深刻ななると無料で利用にできるようになると思いますが、あまり素直に喜べない状況にはかわりありません。

知り合いのフランス人はこの季節に海外に滞在したり、南フランスに逃避すると言っていました。
引退者なら可能ですが、働いている一般人や学生には簡単にはできませんね。

2016年3月10日木曜日

ストライキ連続コンボ

先日のフランス国鉄SNCFとパリ交通局RATPのストライキに続き、昨日の水曜日から労働規則の改定案である『loi El Khomri』に対する労働組合と一般市民によるストライキがフランス全土で始まったようです。

パリだけで10万人の近くがデモに参加し、フランス全土では40〜50万人近くになったとの発表でした。

ちなみにフランスの人口は約6000万人なので 12〜15人のフランス人に1人がストライキに参加しているということになります。


今回の改定案の内容が雇用者に有利な条件になるため、雇われ側である大半の一般市民が不満を訴えているということになります。

現在のよくない経済状況に合わせた、経済的不振による企業の損失を減らすために正社員を解雇しやすくする 改訂条件が盛り込まれている様子です。

フランスはここ数年、高い失業率が国内の問題になっていて、この改定案はさらに失業率を増やしかねない内容に思われます。

10年近く前の学生運動のように長期にわたるストライキに発展する可能性も考えられますので、パリ郊外からの交通機関を利用される方は、ことのなりゆきを注意深くみたほうがよさそうです。

2016年3月8日火曜日

ストライキ始めました ー2016年3月8日フランスにてー

日本の夏が近づいてくるとレストランでよく見かける表示『○○始めました』


○○の中には「かき氷」や「冷やし中華」などがよく思い浮かびます。


こんな感じで毎年の風物名物となっております、フランスのストライキ(Manifestation)が今夜もまた始まっています。

題名からすると、紛らわしく、まるで私がストライキを起しているようですが、私は『なるがままに』をモットーにしていまして、流されるまま生きていく生き様です。


今回はフランス国鉄SNCFとパリ交通局(RATP)2社による合同ストライキです。今回が初めてのタッグではないので(むしろいつもセットになっている気がsいますが)、フランスに住んでいる(特にパリ)人には『またか〜』という感じです。



気になるストライキによる交通ダイヤルの影響ですが、本日19時(現地時間)より始まります。今のところ、今週の木曜日朝8時まで。


SNCFはIle-de-France圏内でのTransilien(電車)の運行ダイヤルを通常3本のところを1本に減らしています。

地方行きの新幹線TGVは東方面行きが2本に1本、北、西そして南西方面行きが3本に1本となっています。

TER(地方線電車)も3本に1本の運行のようです。
格安電車Ouigoは10本に4本、そして国際線電車はスイス行きLyriaが10本に5本、そしてイギリス行きEurostarは10本に8本の運行予定です。

RATP側では主にメトロ、バス、トラムですが、特に目立つ混乱はなく、通常運転に近い状況とのこと。

RER B線(高速地下鉄)はRATP管轄のパリ南郊外のMassyから終点Saint-Remy-les-chevereuseまで2本に1本の運転。

RER A線(高速地下鉄)は通常運転の模様です。

最後にストライキの理由ですが、2013年より主張している「新規採用」と「給料アップ』とのこと。

個人的な感想ですが、フランスで公務員に当たるSNCFとRATPの待遇は一般サラリーマンに比べて遥かにいい待遇だと思います。公務員の数が多くなると国民はだらけやすくなるそうです。
かのギリシャも公務員の数がかなり多いため、その予算が大きくなりました。

ストライキをする暇があれば、もっと利用者に快適なサービスを提供することの改善に努力してほしいです。平気で時間が遅れる、車内アナウンスがいい加減、そして今回のような頻繁にあるストライキによる混乱とあまり好んで利用したくはないのが本音です。

どうもフランス人の「怠け癖」は、この世界的不況でも特に変化はなさそうです。

 

2016年3月5日土曜日

パリでお気に入りのカフェ



今日はパリの天気も午後からよくなったのと、家にあるコーヒー豆のストックがなくなったので、買い物にでかけました。

パリにはたくさんのCafe(カフェ)と呼ばれるコーヒー屋があります。Cafeと言っても、最近は食事がメインになっていたり、アルコール系に力をいれているところが増えています。

これはこれで、時代に合わせて変化していていいと思います。最近は自宅でもネスプレッソのように、カプセル式のエスプレッソメーカーでおいしいコーヒーを飲むことができるので、わざわざ外出してコーヒーだけ飲みにいくということもあまりないような気がします。


私も『いきつけのカフェがある』なんて格好よく言ってみたいものですが、 まったくといっていいほどありません。

しかし、雰囲気のいい、接客サービスがよく、おいしいコーヒーのあるカフェには、友人と待ち合わせをしたり、ふらっと気分を変えたいときなど訪れることがよくあります。


今日、訪れたカフェは食事やアルコール系にあまり(というかほとんど)力をいれていなく、純粋にコーヒーで勝負をしているカフェです。


そのカフェの名前ですが、『Verlet


お店はとても小さく、最近のコーヒーチェーン店のような開放感は全くありませんが、この古めかしい昔ながらのパリの雰囲気を感じることができるカフェなので、私はとても好きです。


最初に訪れたときは、席について店員さんが注文に来たときに『エスプレッソをお願いします』と頼むと、『どのエスプレッソですか?』と聞かれました。


おそらくフランスにわりと長めに住んでいる方でも、あまりカフェでエスプレッソを注文して『どのエスプレッソですか?』と聞かれることはめったにないと思います。

なぜなら、ほとんどのカフェでは1種類のコーヒー豆しか使っていないため、その一言で十分だからです。

しかし、ここのカフェで店員さんがそのあとに、メニュー表を渡してくれたときには、びっくりしました。

なんと、エスプレッソだけで30種類くらいあったのです!


いや〜、ここまで種類があると、もうわけがわからないですね。とりあえず、『店員さんのおすすめでお願いします。 』と注文せざるをえませんでした。
コーヒーはとてもおいしくて、おまけでついてくるチョコレートもおいしいです。

まあ、そんな衝撃的な出会いによって、コーヒー豆をここで買いたいなと思ったのがきっかけでした。

私は挽いていない豆を購入して、自宅でコーヒーをいれる前に飲む分量だけその都度挽いています。
スーパーの挽いてあるコーヒーに比べて、新鮮さを感じますし、香りがやはり違います。
私はコーヒー通ではないので、あまりコーヒーの入れ方をよく知りませんが、コーヒー専門店で豆を購入して、飲む直前に豆を挽くだけでもかなり違いがあるものなんだなと思いました。

本格的には、お湯の温度やコーヒーを入れる道具(イタリアンエスプレッソメーカー、フレンチプレス、ドリップ、サイフォン式など)によってもかなり違いがあるらしいです。
BIALETTI 直火式モカエクスプレス




BODUM フレンチプレス
KALITA 陶器製コーヒードリッパー
ハリオ サイフォン




いろいろとそのあとに用事もあったので、今回は席についてコーヒーを飲む機会はなかったのですが、無事に目的のコーヒー豆を購入しました。

ここのコーヒー豆の値段はピンからキリまであって、一番安いもので8€(250g)くらいで、高いものになると45€(同じく250g)のものもあります。

最初、勢いで『一番おいしいものをください』とお願いして、40€以上の値段だったので、きっぱりと『もっと安いものの中でお願いします』と言い直した経験がありますので、もしコーヒー豆をここで購入しようと思われるかたは気をつけてくださいね。


CAFE VERLET
アドレス:256 rue St Honoré 75001 paris
 


    

2016年3月4日金曜日

株は心理戦である


数週間前の嵐のような相場はどこにいったのか?



今週に入って世界の株式市場は上昇相場の雰囲気になっています。1月末から2月中旬までの超悲観相場がまるで蜃気楼のようです。

通常、株取引というのはいわば心理戦です。本来であれば、株価というものは企業の業績に沿って、または将来の成長予測から数字を割り出して値がつきます。

しかし、株価が毎日ぶれる(変化する)原因は市場参加者のそれぞれの『思惑』によるものです。
短期的な外部要因(為替や、金融政策、地政学的リスクなど)で株価が動くことは頻繁にありますが、これは近未来の予想から株価を占って、独自の価値観でその時の株価を評価しているからです。




株で儲けるにはどうすればいいか?という問題に対して、実に株取引というものは単純明快です。

安い株価のときに株を購入して、高い株価のときに持ち株を売却する

たったこれだけ。
この方程式に対して、私たちは特別な知能IQの高さは求められません。

でも、現実はこのように単純ではありません。おそらく、株取引を行ったことのある人ならそのことは十分に理解できると思います。




私の経験で例えてみますと、

最初の株価がまだ割高だなと自分で判断して買わなかったのに、その後数日間するする〜っと株価が上がり続けると、『早く買わないとまだまだあがる』という錯覚に陥ります。

そのときは最初に判断を下した『自分の中の適正株価』が崩れてしまい、市場参加者(他の投資家)から背中を押されて、勢いで購入してしまうことです。

そしてその後、すぐに株価が急降下して損する(大体10〜15%)か、数ヶ月間ほんの数%のみ上昇したあと、調整や暴落などでどーんと損をしてしまう(だいたい20〜30%)パターンです。

このように下落した際に、今度は『もしかしたら、もっと下がるかもしれないから、損失がさらに酷くなる前にここらへんで損切りして『すっきりしたい!」と売ってしまうのです。

その結果、元金が減ります。下落相場、もしくは暴落相場では、損をだした恐怖心から新規の投資(購入)をしなくなります。

その後、相場は数日〜数週間かけて勢いを取り戻し、高値圏に近づいてくるとあわてて買い出動モードになるわけです。



これでは、最初の株取引で利益を出す方程式の真逆のことをしていることになりますので、いつまでたっても資産は増えません。



ここまでは昨年末から現在までの時間軸上に、私自身の経験や他の人の株取引を考慮してメモしています。

タイトルに『株は心理戦である』と書きましたが、株取引で必要なことは本当に自分との戦い=つまり自分自身の心理コントロールなのだということがわかります。

損をだしているときに感じる『すっきりしたい』という感情をどれだけ抑え込めれるかが、資産運用をうまくおこなえるかどうかのポイントです。




上昇相場になってくると、少しの利益に目がくらんで突如、博打のような取引手段をおこさないようにメモ用紙に書いて、パソコンの画面横にでも貼付けとくいいでしょう。笑

頭でわかってていても、夢中になっていると、理性などすぐにどこかにいってしまうということを思うと、昔ながらのメモ張りは有効な気がします。




2016年3月2日水曜日

パリーブリュッセル間のTGV(新幹線)の新料金が登場!



先日に続いて、乗り物シリーズ第2弾です。

世の中どの国も不景気なのが鮮明ですね。低価格のサービスや商品がぞくぞくと登場しています。

昨日はタクシーのついてでしたが、これはタクシーVSユーバー(Uber)でした。

今回はTGV(新幹線)VS ?

まず、パリーブリュッセル間の新幹線はThalys(タリス)と呼ばれています。これは向かう国によって、例えば、イギリス、ロンドン行きの新幹線はEurostar(ユーロスター)で、スイス、ジュネーブ行きはLyria(リリア)になります。新幹線の名前が異なるのですが、基本的に新幹線です。

今日のニュースによると、ローコスト料金でなんと10€でパリーブリュッセル間の新幹線を利用できます。

『10€』がどれくらいの価値なのか分かりにくい人もいると思うので、一番身近にあるもので比較してみます。

先日にタクシーでのパリーシャルルドゴール空港間の話をしたので、その移動距離で例えます。

パリからシャルルドゴール空港まで一番安くいける交通手段が電車(高速地下鉄RER B線)の利用です。ちなみにこの切符の料金が『10€』です。

パリーシャルルドゴール空港間(約35km)10€
パリーブリュッセル間(約330km)10€

距離が10倍近く違うのに、値段は2倍だけ。マイナス金利でお金を預けている人が利息を払うというありえないことが起きている時代だと移動距離の金額も異常です。

ちなみにこの10€で乗車できる新幹線は『Izy』(おそらく英語の”easy"の発音に似せてつけられたと思われる)と呼ばれるもので10€は子供料金とのこと。

ここまで興味を引っ張っておいて、子供料金とはなんだよーと思われたかもしれません。


このニュースが本日でたばかりなので、私も騙されてしまいましたが、他のニュースを見比べて詳細をみてみると、大人料金は『19€』でした。

この19€は『切符の変更不可』、『返金不可』となり、オプションとして『XLサイズシートの選択』または『手荷物(スーツケースなどの大きなもの)の持ち込み』をプラス10€で可能であるということです。

なんかここらへんはローコスト空港会社のeasyjetのシステムを思い浮かべます。

さらなるローコスト席を求める人に、各電車に10枚限定の切符『座席保証なし(つまり立ち席)』があるとのこと。

切符の購入はネットからのみで、4月4日からサービス開始になります。

『Izy』はローコストであるために、通常のThalysよりも運行時間が平均して50分ほど長くなるようです。
通常Thalysのパリーブリュッセル間は1時間20分くらいなのですが、Izyは平均2時間15分くらいだそうです。この平均とは運行時間帯によって異なるとのこと。

これは、Izyが一部ローカル線の路面を借りて運行するので時間が余分にかかるようです。


最後に新幹線の新サービスは『Covoiturage(相乗り自動車)』に対抗するために企画されたようです。






2016年3月1日火曜日

パリー空港間の新料金 タクシー編


本日、3月1日よりタクシーを利用した場合のパリー空港間の新料金が発表されました。

いままで、空港からタクシーを利用した場合、パリまでいったいどれくらいかかるのだろうとどきどきしながら常に料金メーターを気にしていました。

またはインチキの多いここフランス(特にパリですが)で、タクシーのうんちゃんにうまく遠回りされて、料金を余分に払うことになった旅行者も多くいるはずです。

正規料金でのだいたいのパリー空港間の相場ですが、パリ右岸(北)からシャルルド空港まで40€〜50€、パリ左岸(南)からだと45〜55€くらいでした。

一方、オルリー空港からはパリ右岸(北)で30〜40€、パリ左岸(南)で25〜35€くらいです。

これに荷物(スーツケースなど)を後ろのトランクにいれるようなことがあれば、追加で1〜3€くらい請求されていました。

これは渋滞などない日中の時間帯での相場になります。渋滞したりするとすぐに10〜20€は追加でかかります。

パリに入るちょっと前、ゾーンでいうとゾーン3〜ゾーン2くらいで渋滞がよく発生していて、これはパリの環状線の高速道路(Periferiqueと呼ばれる)に多くの車が通るためです。

最近では空港までの高速道路の一部を空港行きのバスとタクシー限定にした路面もできました。

そして今日からこのタクシー料金は『パック料金』になりました。
どれだけ乗っていても、渋滞しても、そしていやなおっちゃんに遠回りされても”追加料金なし”でタクシーを利用できるようになりました。

その『パック料金』ですが、パリ右岸ーシャルルドゴール空港間が50€、パリ左岸ーシャルルドゴール空港が55€、そしてパリ右岸ーオルリー空港は35€、パリ左岸ーオルリー空港は30€と設定されています。

ちなみに初めてパリにくる日本人旅行客の方や数回パリを訪れたことがあるが初めてタクシーを使うような方にアドバイスですが、空港内での客引きや空港をでてすぐのところで『タクシー乗りますか?』のようなニュアンスで声をかけてくる人は白タクの可能性が高いので、断るようにしたほうがいいです。

正規のタクシーはタクシー乗り場で構えていて、向こうから『タクシー乗りませんか』などと声をかけてきません。

渋滞の多いパリの交通事情を考えるとこのパック料金システムはいい案だと思います。

タクシー業界はこれからもどんどん新しい改革をしなければ、Uberとの競争に勝つには難しそうです。

資本主義のいいところは、企業間の競争によって、消費者にはどんどんいいサービスが提供されてくることです。国営企業が運営するようなものに、『お客様のために』という言葉は存在しません。