2015年7月18日土曜日

2015年度7月時点でのフランスの最低賃金

間もなく8月になります。
フランスの8月ははっきりいってバカンスのために存在しているようなものです。
多くの会社が2〜3週間バカンス休暇のために閉まります。さすがに大手はこの期間まるまる会社を閉めるとなると取引先相手との問題もでてくるため社員は交代でそれぞれのバカンスに出かけ、その間は短期アルバイトの戦力が補強されて乗り切るわけです。
個人経営、街の散髪屋さん、花屋さんなどは3週間まるまる閉めるところもめずらしくありません。

この時期になるとFacebook上には友人や知人の海水浴場での写真やバーベキューなどの投稿がやたら増えます。はっきりいってそればっかりです。いかに肌の色を濃くするかがどれだけバカンスを満喫できたかという証明のようなよくわからない文化もあるくらいです。

7月にはいるとすでにフランス人の頭のなかにはバカンスをどう過ごすかということしか考えていない様子で、同僚や友人達と会うと仕事中だろうがバカンスの話題でもりあがって手が動いてないという光景もよく目にします。

仕事が美徳とされる日本からしてみればなんともゆるい文化に感じてしまうことでしょう。
そんなことで生きて行けるのかと日本で働いている多くの人が疑問をいだくと思いますので、本日はフランスの最低賃金のことについて取り上げてみました。

2015年7月の時点での最低賃金は週に35時間の労働時間を基準にして総月額1457.52€(円換算:19万7000円 1€=135円)です。時給で計算すると9.61€(円換算:1300円)になります。
手取りで計算するとここから社会保障費など引かれて平均で1137€(円換算:15万3500円)、時給で8.1€(円換算:1100円)です。

気になる8月の給料ですが基本的に1年以上勤めていると3週間のバカンスでも他の月と同じように支払われるシステムです。

フランスは社会保障費が高いです。サラリーマンの場合平均して約25%の社会保障費を給料から引かれます。この社会保障費については職業によってもかなり差がありますが。
これ以外に毎年払うものとしてTax d'habitation(住民税)、Impot(所得税)、Tax audiovisuel(NHKのようなテレビ税)などあります。

パリで生活してこの給料でどれくらい余裕ができるのかシュミレーション(一人暮らし)してみます。
必要な出費として、

毎月かかるもの
ー家賃 700€(ワンルーム20m2)駐車場なし
ー光熱費 40
ー自宅へのインターネット回線 30
ー住宅保険 10€(一番低い保証のプラン)
ー携帯電話料金 20€ (スマートフォン用)
ー定期券(交通費)70€ 
ー食費 200€前後(自炊の場合)、300€(外食を月5回くらいした場合)

とここまでですでに1070€〜1170€に達しました。上記に書いたように手取りの月額は1137€です!

ここからさきほどの年ごとに払う税金がかかります。
ー住民税 家賃の約半月〜1ヶ月分 半月として350
ーテレビ税 136
ー所得税 最低賃金の場合は控除されるので0

この年間税金合計で486

毎月かかる出費+年間にかかる税金合計の結果
1070€x12ヶ月+486€= 13326

最低賃金手取り総額(年間)=13644

13644€(1年の手取り総額)ー13326€(年間必要総出費)=518€(円換算:7万円)

パリで最低賃金で生活した場合年間で7万円しか手元に残らない(自由に使えるお金)というシュミレーションになりました。
正直生きて行けないです。。。。

対策として家賃を抑える(もっと狭いアパートに引っ越す)、定期券をやめる(自転車通勤:例えばVelibなど)、自宅インターネット回線を止めて携帯電話のネットのみにすることくらいが可能ですが、それ以外は無理そうです。
そして2つ目の仕事をみつける。

パリで生活することは大変です。





2015年7月15日水曜日

2015年8月1日より電気料金値上げ

来月初めから電気料金の値上げが今日報告されています。
まだはっきりと詳細が決まっていないようですが、大雑把に書きます。

来月8月1日からEDFの電気料金が値上げするとエコロジー省のセゴレンロワイヤルが発表しています。
この値上げは平均して2.5%の値上げになるそうです。
2012年度からの価格変動による十分な値上げを実施していないための口実らしいです。

確かEDFは原発関連で大きな赤字をおっているのでしばらくは財務が大変そうであるというものを以前どこかの記事で目にしたことがあります。その当時フランス企業への投資を考えていたときでいろいろと調べていた時期でもありました。

私自身は結局EDFは上記の理由から購入するにいまだ至っていません。
個人的には原発に頼らない将来を期待しているのでなおさら投資先企業に当てはまりません。

私が投資するにあたって金銭的なリターンだけで投資はおこなっていません。将来の自分たちの子供達にも恩恵を与えてくれるような企業に投資するように心がけています。
もちろん、そのような企業が私のポートフォリオ全てになっていることはありませんが。

株式投資を通じて学べることも多くあります。

話はかなりそれましたが、また電気料金の詳細がありましたら更新する予定です。

2015年7月14日火曜日

パリ祭(フランス革命記念日) Fête nationale française 2015

いつもはこのブログでは文字ばかりなのですが、フランスの日常生活の紹介をするにあたって画像もあったほうが伝わりやすいので写真を多めにのせています。

今日は祝日でした。
フランスの祝日のなかでも今日の革命記念日は大切な祝日です。
1789年の『バスティーユ襲撃』を経てフランス共和国が誕生した日なのです。

この日はシャンゼリゼに重要人物が集まり、軍、飛行機、戦車と盛りだくさんの軍隊のパレードが午前中に行われます。
そして夜にはエッフェル塔からの花火が打ち上げられるのがこの行事の恒例になっています。

私も今日はがんばってシャンゼリゼまで行ってきました。
なぜがんばる必要があるのかというと、まずパリ市内であちこち交通規制があり、シャンゼリゼ側のメトロ(地下鉄)は全て閉鎖されています。
そこで少々離れたところから歩いていくことになるのですが、まず警察によるセキュリティーチェックを通ります。今年にはいってテロが多発しているので警察官、銃をもった警備隊などあちこちにいます。そのあとは人が山のようにいて近くまではいけるのですが、シャンゼリゼ通り沿いの淵あたりが精一杯です。







空いている場所を求めて彷徨っていると突然大きな轟音が鳴り響いてきたので空を見上げると戦闘機がフランス国旗の色の煙をまいて飛んできました。



そして彷徨ったそばに人間だけでなくパレードの待機をしているところに遭遇です。写真中欧の人は待ちくたびれて立ち食いしてました。おそらく朝食を食べる時間がなかったのかもしれないですね。



馬達は静かにじっと辛抱強く待っていました。
ふと気がついたのですが、おしりのところにみな同じようにLouis Vuittonのダミア調のような模様の刈り込みがしてありました。


でも生き物なので我慢できないものもありますね。あちこちに転がっています。
道路がちょっと臭かったです。笑


夜の花火はこれからなので残念ながら写真は載せれなそうです。

Loi Pinel(ピネル法案)についての感想



このところこのブログでも記事の題材にしていますが、今日のフランスにおいて不動産市場はあまり活気のいい分野にはなっていません。

ではフランスは不動産が人口に対して余っているのか?という疑問が沸くわけですがそういうわけでもないようです。
むしろまだ多くの住居が足りていない状況で住宅事情は国の重要な政策のひとつにあげられています。

 実際、パリ近郊で不動産の価格/家賃を見た場合、正直びっくりするような値段です。とてもじゃないですが、一般庶民が購入または借りられるような値段ではありません。

一部のお金持ちが複数の物件を購入して賃貸に回す不動産投資をおこなっているようですが、そんな状況が長らく続いているので借り手は今のアパートから動くこともできないので不動産市場の流動性が鈍くなっていると思われます。

昨年2014年9月1日より適応されるLoi Pinel(ピネル法案)の内容になります。

まずフランス国内において2015年1月ー2015年12月31日までの期間に新築または建築予定の物件を購入する人を対象に税金の免除を施すという法案です。
その免除の期間は9〜12年間、毎年最大6000€まで所得税から控除できることになります。

税金免除率はいくつの段階に分かれています。
そしてこの法案の大事なポイントになりますが、賃貸に回したときのみです。そして新築入居開始から12ヶ月以内に賃貸に回すようにという条件もついています。
つまり新築/建設予定のアパート/一軒家を他の人に貸す期間によって税金の控除額が変ってきます。

例を以下にだしておきます。

15.000€の物件の場合

ー6年間貸した場合(12%の所得税免除): 年間3000€または6年間で18000€の控除
ー9年間貸した場合(18%の所得税免除)  : 年間3000€または9年間で27000€の控除
ー12年間貸した場合(21%の所得税免除): 最初の9年間毎年3000€、その後の3年間毎年1500€。トータルで31500€の控除

続いて200.000€の物件の場合

ー6年間貸した場合(12%の所得税免除): 年間4000€または6年間で24000€の控除
ー9年間貸した場合(18%の所得税免除)  : 年間4000€または9年間で36000€の控除
ー12年間貸した場合(21%の所得税免除): 最初の9年間毎年4000€、その後の3年間毎年1500€。トータルで42000€の控除

最後に300.000€の物件の場合

ー6年間貸した場合(12%の所得税免除): 年間6000€または6年間で36000€の控除
ー9年間貸した場合(18%の所得税免除)  : 年間6000€または9年間で54000€の控除
ー12年間貸した場合(21%の所得税免除): 最初の9年間毎年6000€、その後の3年間毎年3000€。トータルで63000€の控除


次に貸す場合の家賃になりますが、法に記載されている上限を超えてはならないこと。そしてこの上限はZoneと呼ばれる4つに分かれて定められています。
Zone A bis: 16.72€/m2
Zone A   : 12.42€/m2
Zone B1 :    10.00€/m2
Zone B2 :      8.69€/m2

そして賃貸主の収入にも上限があり高収入の人には貸すことができないようにもなっています。
以下に細かく記載されているものを添付しておきます。


最後に物件の条件ですが、Loi Pinel法に入る区域であり、なおかつ環境に配慮した建物であること(RT2012またはBBC2005のマークのあるもの)となっています。

個人的なこの法案についての感想ですが、お金持ちの人に新築物件を買ってもらって不動産による景気をよくしようとすることとお金持ちのような高い税金を払っている購入者にとってのメリット、そして借り主側に少しでも住居を供給する目的という意味ではうまくまとめている法案のように思えます。

逆に庶民にはこの法案はあまりメリットがないものになるでしょう。払う税金が少ない場合は控除されても払い戻しがあるわけではないので増えることはありません。あくまで多くの出費(税金)をする人にメリットがあるだけです。
そのようなことから不動産投資というよりは節税に近い法案のように思えます。

2015年7月12日日曜日

6月に受け取った配当金銘柄

本日は6月に受け取った配当銘柄の報告をしたいと思います。
最近はギリシャ問題、中国リスクなど世間をにぎわすイベントが続いています。
個人投資家として一番怖いのがリーマンショックのようなイベントにより資産が半分くらいに減ることでしょうか。

数字というものはとても複雑に思えます。
よく資産運用をする上で重要な例えになりますが、
100万円の資本金があります。
株式や資産運用投資を経て50%ほど資産が1年後に増えたとします。
この時点では保有資産額は150万円になっています。
しかしここから『ほにゃららショック』などにより50%ほど株価もしくは評価額が下がったとします。
このときの保有資産額は75万円です。

次の例としましてこのあとに景気がじょじょによくなっていったとします。
また数年かけて50%ほど資産があがりました。このときは75万x1.5=112.5万円です。
そしてまた『なんちゃらショック』で50%ほど資産が半分になった場合は56.25万円になります。

最初の投資資金100万円に戻すのに今度は約200%の上昇が必要になります。
このように同じ『50%』の上げ、下げでも下げのほうがエネルギーは大きいということです。単純に50%増えて50%減ったら100万に戻らないのがです。
このことはかなり重要なことなのであえて自分に言い聞かせるためもあり書いています。

そのような環境の中で心の安定になるのが私が重点を置いている『配当金』になると思います。
株価は下がっても配当金が定期的にしかも安定した金額がはいってくることは資産運用する上でのリスクヘッジのようなものだと考えています。

さて話がだいぶずれてしまいましたが6月の配当金受け取り銘柄の報告にうつります。
(数値は1株あたり)

- Chevron       0.46€ (税引き前価格: 1.07$, 年率3.68%)              取得額:  116$
- Mcdonaldo 0.369€ (税引き前価格: 0.85$, 年率3.61%)           取得額:    94$
- Ingenico            1€ (税引き前価格: 1€, 年率1.6%)   PEA口座   取得額:     1€
- Orange        0.4€ (税引き前価格: 0.4€, 年率6.5%)PEA口座   取得額:   9.2€
- Total Gabon 5.86€ (税引き前価格: 9.21€, 年率2.2%)                取得額:  409€ 

Ingenicoは年1回の配当、Orangeは年2回で前回は0.2€を合わせて、そしてTotal gabonは年1回で計算しています。その他アメリカ株銘柄は基本年4回の配当になっています。

この中でアメリカ株式銘柄はアメリカで10%源泉徴収されます。そしてここフランスで約40%の社会保障税を加担するため実質は年率からほぼ半分になります。
唯一PEA口座のみ税の特別控除によりそのまま配当金額を得られています。

赤いAutolib、『Utilib』とは!?

日曜日はパリでもほとんどのお店が閉まっています。パリ中心地の観光地やマレ地区は関係なく営業しているところが多いですが、少し離れるとカフェくらいしかみあたりません。
そんな中、日曜日の行事というと近所を歩いて散歩するのが小さな楽しみのひとつです。パリでは小さな路地がたくさんあり、頻繁にお店も入れ替わったりと常に変化に富んでいる街だと思います。

これは景気が悪くてお店をたたむということもおおいにありえますが、散歩してる身としては小さな探検気分でもあります。

そんななかふと道路脇の充電停止中のAutolib(電気貸し自動車) の中にフェラーリのような真っ赤な色のモデルを発見。


車の外見は全く同じです。通常Autolibはグレーの塗装をまとっています。
興味津々になって近づいてみると車のロゴに『Utilib』と書いてあります。
『Utilib』とはなんだろう??と疑問がわき、車内を覗いてみるとシートは2つしかなく、通常前後2シート(合計4人乗り)の通常板Autolibの後ろ半分はなんとガレージになっています。






なるほど、これは荷物の多い人用にカスタマイズされた使用のモデルのようです。
これがあれば多少の荷物があってもうしろに詰め込めそうです。IKEAから買い物の帰りにも重宝しそうです。

パリの移動はいままでメトロ(地下鉄)かバスしか購入品を一緒に運ぶ手段はありませんでした。多くの他の乗車人達の邪魔にもなっていたのでこういうサービスがでてくることは一般消費者にとって非常にありがたいことだと思います。
これでいままで不法にぼったくられていた荷物送迎価格が大きく下落してより使いやすい料金になり、お財布に優しく なりそうです。

今時代はまさに大きな変換期にあります。
UberやAirbnbなど一般の人がおこづかいを稼ぎながら利用者は節約できるシステムのビジネスが急速に増えて行っています。

料理人が自宅まで料理をしてくれる上に税制上の補助がでて利用者は利用金額が半額で済むというような『My cuistot』 などレストランにいく必要もなくなってきています。

これからは小売り店鋪だけでなくサービスまでも店舗をもたないビジネスが主流になっていくことは間違いないと思われます。

特に家賃が異常に高いパリなどはこの手のビジネスはあっというまに流行そうです。
これからの時代は肩書きだけでは生き残れなくなる時代が来そうです。『口コミ』、『ソーシャルネットワーク』このようなものからいい意味で淘汰され利用者にとっていいものが生き残っていくことを願うばかりです。


2015年7月1日水曜日

2015年6月の運用成績

本日は6月の運用成績を見てみたいと思います。
先月5月分は体調をしばらくくずしていまして計算できず、日にちが過ぎてしまいました。

今回は4月の運用成績から主に比較になると思います。

さて、私のブログでは以下4つの点で資産運用成績を計算しています。

1:先月比に対してどのくらいの成績になったのか。(今回は5月分をとばします)
2:2015年度より受け取った合計配当金は2014年度末の資産に対してどれくらいの割合になるか。
3:先月比でどれくらい資産が変化したか。
4:2014年末比でどれくらいの運用成績になっているか。

フランス株式口座は先月比で-1.9%の下落。保有銘柄で一番ポートフォリオ比率の高いNeopostがずるずると値下げしていっている状態です。Neopostは流通業界の荷物を測る機械や配達料金シールなどを販売している会社です。
私の中でフランス株式市場にあまり興味が沸かない(株価が上がりすぎて)のですが、新規購入としてBoironを少し購入しました。ほぼほったらかしの状況ですが7割近くはキャッシュポジションにしているためギリシャ問題や中国問題など大きなイベントが起こっても致命的なダメージはあまりないと思っています。

続いてアメリカ株式口座は先月比-3.6%でした。これは今年に入って一番の下げになります。思ったほどユーロがドルに対して下がらないのと月末のギリシャ問題で一気に下落したようすです。

私にとって大事な配当金についてです。今年に入って受け取った配当金の合計は2014年末の資産に対して+0.51%になりました。この数値は一年経ったあとの計算で初めて年率をだすことができるのであくまで参考程度になります。一応目安としましては先月(6月)末で今年の半分を折り返す形になったので単純計算すると配当金年率はいまのままのポートフォリオの場合+1.02%の予想です。目標は3%以上なのでまだこれから3倍にしなければいけないです。

次に先月比での運用成績はフランス株式口座とアメリカ株式口座を合わせて-3%の成績です。

そして最後に2014年末からの運用成績は+5.4%になりました。この数値も前回の運用成績から大きく下落していることになります。