今日は少し米国インフレについて考えてみます。
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過去20年間チャート |
6月10日に発表されたUS CPIは+8,6%(予想+8,3%)で、コアCPIは+6,0%(予想+5,9%)でした。
総合指数の+8,6%という数字は予想を大きく上回り、多くの人が望んだインフレの鈍化は蜃気楼のようにこの発表の瞬間に消えていきました。
コアCPIをセクター別にしてみます。
まず先月比で上昇しているセクターを見てみましょう。
食費が+11,9%で前月(4月)に比べて+1,1%上がっています。
続いてエネルギーは+34,6%で前月(+30,3%)に比べ+4,3%の上昇。
そして電気は+12,0%、前月(+11,0%)に比べ+1,0%
サービス(ちょっと見えにくいけど黄色い線)は+5,2%、前月(+4,9%)で+0,3%。
家賃は+5,5%、前月(+5,1)から+0,4%の上昇。
先月に比べて下落したものは商品で、+8,5%、全月(+9,7%)から-1,2%の下落。
このように各セクターを分けてみた結果、
エネルギー(電気も合わせて)と食品はロシア、ウクライナの戦争の影響でこれはまだ落ち着く様子はしばらくなさそう。
一方、サービスと電気はコロナが落ち着いたので過去のコロナ期間中に動けなかった衝動が今起こっていると思われます。
家賃については正直、わかりません。各国の家賃システムが異なると思うのでアメリカに住んでいない自分には判断のしようがないので保留にしておきます。
商品は以前にも自分の中で予想していましたが、コロナ期間中におそらく大体の商品は購入しきって『もの』に対する興味は離れて、その代わり上記のサービスに回っているのだと思います。
ただ、インフレがこれだけ続くと夏以降、資金に余裕がなくなり一気に減速する可能性は高いと思っています。
今回のCPIを自分なりに分析した結果はやはり1番のインフレの影響は現在は戦争だと思えます。
逆にとると、みんなの予想をいい意味で裏切って突然戦争が終結となるような事態が起こると一気にインフレは落ち着くのではないでしょうか。
問題はインフレが戦争の影響である場合、FRBによる利上げの継続は、はたしてインフレが下がるのだろうか?ということではないでしょうか。
結局利上げをしてもエネルギーと食糧資源の確保ができなければ落ち着く気がしません。
むしろ景気後退の可能性が強そうです。
多くの世界的企業がロシアからの事業を撤退した現在、急に戦争が集結する気配はなさそうですなので難しい期間が続きそうです。