2017年3月11日土曜日

フランス大統領選挙 ーフランス在住者からの視点ー

4月の大統領選挙まであと1ヶ月ちょっととなりました。


少し前までは、極右のMarine Le Pen(マリーヌ・ルペン)が大統領候補ナンバーワンでしたが、ここに来て、中道無党派のEmmanuel Macron(エマニュエル・マクロン)が支持率でトップにでてきています。


フランス在住の私個人的な感覚だと、世間で伝えられているほどマリーヌ・ルペンが大統領になる可能性はかなり低いと思います。


よく経済新聞やニュースなどでフランスの大統領選挙リスクのことが取りあげられて、フランスでは極右のマリーヌ・ルペンが勝利する可能性があるといっています。


最近は少しでも読者の目をひこうと大げさに報道していることがよくあるので、こんかいのフランス大統領選挙も実際は大きな動きはないと思います。

そもそもフランスという国は近年、海外からの移民が増えてきて、それで国が成り立っています。


パリを歩いているとわかると思いますが、フランス人といっても半分以上はもはやアフリカ系といっても過言ではないくらいアフリカ系フランス人は増えています。

中国系フランス人も激増している感じですし、ベトナム系フランス人もかなりいます。

このような環境で極右の政党が政治を握るというのはかなり違和感があります。



そして、マリーヌ・ルペンがEUからの離脱や移民排除といった批判的な内容が目立つ中、マクロンは一応、彼なりに経済再生策を提案しています。

近年でも彼が提案した政策(マクロン法)が採用されたりと、それなりに彼の評価は高いと思います。世の中がインターネットでグローバルにつながるなか、時代の流れに合わせて、法律を変えることは必要だと思います。


近年の大統領選挙(フランス、アメリカなど含む)は相手のけなし合いで自分に有利にことを運ばせようというような流れで投票を行なう国民としてはうんざりな選挙になります。



ちゃんとした政治は各人がそれぞれの哲学を持って、その国をどう豊かにしていくかという政策を掲げ、それに共感することで票を集めるべきだと思います。



そういう意味で、両者の年齢(ジェネレーション)も興味があります。
マリーヌ・ルペンは48歳、マクロンは39歳です。

なんとなく50代にまもなくはいるマリーヌ・ルペンはいままでの過去の政治のやり方を世襲する雰囲気なのに対して、マクロンは30代のインターネット世代(つまりグローバル世代)に属していると思います。


つまり、マクロンは若い世代の共感を得やすく、失業率が10%前後のフランスにおいてそのほとんどが若い世代であるという現実から、低迷、迷走するフランスの政治を変えてくれるかもしれない期待がマリーヌ・ルペンより高いと思います。


あと、マクロンの奥さんは24歳も年上で、マクロンの高校時代のフランス語教師という一風変わったカップルでもあります。
彼を知る同年代の友人は彼は学生時代に非常に頭がよく、成績も優秀だった。しかも、勉強のできない友人に手を差し伸べる優しいやつだったというようなことも言っていたそうです。




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