2015年2月3日火曜日

フランス企業への投資を応援する証券口座 PEA

本日はフランスで株の売買を行う上での証券口座の紹介です。
フランスには日本のNISAのような税優遇口座が存在します。
『PEA』と呼ばれるこの証券口座はいくつかの条件の下、配当金と売却利益に免税や減税を受けることができます。

まずこのPEAの口座開設条件ですが、フランスで税金をおさめているということが前提で個人につき1つだけ開くことができる口座です。いくつかの証券口座を複数の証券会社から開いていてもこのPEA口座をもてるのはその中から1つの証券会社を選ばなければいけないということです。

次に入金限度額ですが、上限が150.000€までとなっています。
そして実際に売買をはじめるにあたって、世界どの銘柄でもいいというわけではありません。税金が免除または減税してくれるわけですから当然フランス政府にとって利益になるようなものでないと意味がないですからね。ですから必然的にフランス企業第一優先になります。どの銘柄がPEAの対象銘柄かどうかはその企業が『éligible au PEA』かどうかを調べることになります。これは企業の株価を見る際にだいたい同時に表示されていますのでそんなに難しいことではありません。
ただフランス企業以外にもEU圏に属するいくつかの企業はPEA口座対象銘柄になっていますので、例えばドイツ企業など投資したい場合は活用することができます。

そしてその恩恵を受ける税についてですが、PEA口座からお金を引き出すタイミングによって決まります。ここでの税は『所得税』になります。

 A   2年以内に引き出した場合は利益の22.5%を払わなければいけません。そしてこれに社会保障税(2015年現在15.5%)が加わりますので 最終的に38%の税率になります。

 B   2年〜5年以内に引き出した場合は19%の所得税です。これに社会保障税15.5%が加わりますので最終的に34.5%の税率です。

 C   5年以降の引き出しは所得税は免除されます。しかし社会保障税だけはかかりますので15.5%の税率に最終的になります。気をつけないといけないのはA〜Cの段階まででお金を引き出すとPEA口座を閉じなければならないことです。

 D   8年以降の引き出しは所得税は免除されますが、社会保障税の15.5%は引かれます。ただし8年未満の引き出しとことなる点としてPEA口座をそのまま保持できるということです。これはPEA口座内の一部のお金だけとりだしてそれ以外はまだ残して運用したいときに便利です。一度お金を口座から一部でも引き出した後は新しく入金することはできなくなるので注意が必要です。

このようにPEA口座は預金をPEA口座から引き出さない限り税がかからないということです。これはオフショアで資産運用するようなものなので使い方によっては大変恩恵を受ける口座になりうる可能性があります。

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