昨年のコロナ感染拡大から1年が経過してフランス人のお金の使い方に大きな変化が起こっています。
2020年第2半期の時点で2019年の同時期と比較して約3倍も預金者が増えたという結果が出ました。
フランスでは昨年の数回にわたるConfinement(外出禁止令)により、レストラン、娯楽、旅行、商店街の閉鎖などによる支出の低下と将来の収入の不安から貯蓄に回すフランス人が急激に増えたということが報告されています。
今年の年末までに約2000億ユーロも個人の貯蓄が増えるとみられています。
例年ではフランスの平均貯蓄額(総額であって、個人額ではありません)は大体800億ユーロあたりらしいのですが、昨年からのコロナの影響による支出機会激減の為1000~1200億ユーロが追加で預金に回っています。
そしてこの1000億ユーロという額はフランス政府が経済復興に向けて投資したい額(救済金)に匹敵するそうです。
歴史を振り返ると、過去に大きなイベントで経済が滞ったときに貯蓄に回ったお金はその後、復興税という形で主に富裕層から徴収されてことを考えると、これから口座に眠っているお金に対して、そのような何らかの税金が施される可能性も十分に考えられます。
富裕層はすでにその税金対策をもちろん始めていると思いますので、一番大きな影響を受けるのはおそらく中間層の人たちになるのではないでしょうか。
本日月曜日の表明では政府はこのような特別税を設けることを拒否していますが、今後の景気次第ではどうなるかわからないですね。
現段階でこの巨額な貯蓄に対して議論されていることは、贈与税の見直しで、優遇額や条件を緩和して年配者からこれからお金が必要な若い世代に貯まったお金を回すということが有力のようです。
ただし、今の状況は身動きをとる自由が制限されて『お金を使いたくても使うことができない状況』であり、今後ワクチンの有効性や効果的な治療薬、治療方法が出てくるとその溜まった『動きたい』という衝動は計り知れない規模になるとも想像できます。
友人、家族と会ってレストランで食事をしたい、旅行をしたい、退屈だった毎日から美術館に行って文化的なインスピレーションを受けたい、外に出る機会が増えるから身なりを綺麗にしたいなど消費を回復させる要素は大きく揃っています。
鍵は『いつそのように自由に動けるようになるか?』であって、その機会が遅くなるほど経済回復は遅れ、そして復興税という税金の可能性も出てくるでしょう。
まあ、個人的には経済もそうですが、やはり以前のようになんの不安もなく自由に動ける世の中に一刻も早く戻ることを願うのみです。
今回、興味深い発見があったのは、フランスはle matelas de cash『マットレス預金』、日本は『タンス預金』 とどこの国も現金を自宅に置いておく習慣があるのが興味深いです。
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